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片付けるところがなくて山を片付ける話


久しぶりの更新で、1か月近く放置状態でした。





いつも「片づけたいけど片づけるところがない!」と騒いでいる私に、神様はちゃんと大きな「片付け」を用意してくださったのです。





それが「先祖代々の土地」でした





実家に伝わる都市伝説





私の父方の実家は先祖代々紙漉き職人だったそうで「田舎には山が一個半あるよ」という都市伝説的なものがありました。





10年ほど前に一度かかわらないといけないことがあって、その時に一部ちゃんとまとめて父と叔母で相続していたようですが、ほかにもあるはずだと。





で、今回また「ちゃんとしないといけない問題」が出てきたため両親や叔母、弟と話して私が引き受けることになりました。祖母がなくなって株券が出てきたときも高齢の両親と叔母では訳が分からず、私が入って片付けたので、あの時の感じでヨロシコ~!みたいなもんです。





将来的に見て、相続人は私の五人の子ども達だけになります。ですからここでほおっておくと子ども達に迷惑が掛かります。





そしてそもそも本当にどこにどれだけあるかわからない。ということで真偽を確かめることに。





島根県に行って参りました!





道の駅から撮影。初めて行きましたが海も山もある良い所。




思い立ったらすぐ行動。ありがたいことに、以前一部の土地を売って中国電力の鉄塔が立っているのですが、その時の関係者の方が所有している(鉄塔が立っている)山の案内をしてくださるという。





そして、確実にある山は、里山整備をしなくてはいけないと思い、島根県の「里山整備事業」を調べ、県に連絡をし、市に連絡をし、そういうことにたけていらっしゃる知り合いが島根市立大学の教授をされているのでその方にもアポも取っていったわけです。





リアルドラクエになりました





行った日が悪かった。金曜日に早朝に滋賀を車で出発。ついたのは昼過ぎ。一泊二日でできるだけ問題解決の糸口を探さねばならぬ。官公庁って土曜はやっていないので正味5時間、午後五時までが勝負です。





前日に電話があり「雨でも山に入りますか?」と聞かれて「もちろんです!」と言いましたが・・・実は一週間雨続きだったらしく。奇跡的に朝から曇りで、私たちが山に入って降りてきた30分後からバケツをひっくり返したような土砂降り。これには案内してくださった方もびっくりされていました。





所有しているのは荒れ果てた竹林。斜面もすごい角度で足を滑らせたら死にそうです。竹林問題は根が深く厄介です。竹だけにね!!




足元はぐちゃぐちゃではなかったので良かったのですが道なき道を行く。蛇も出ました。





長袖長ズボンに軍手の汗だくで鉄塔二基を確認し、土地の境界を図面で見せてもらい、山を下り、着替えた後は土砂降りの中車を走らせて、市役所の森林課へ行きました。そこで一部測量ができていない山ではないかという懸念が浮上。「法務局で図面を取って森林組合に行くといいですよ。連絡しておいてあげるから」と言われたためすぐさま法務局で図面を出し、森林組合に向かい・・・





気分はドラクエでした。見えない敵がいるドラクエ。行った先でやかましい関西弁女が熱く語るので、みなさん協力的です。島根はいい人ばかりか!?たらいまわしではなく、解決の糸口を見つけるための助言を聞き、そこへ行く。





森林組合の人は森の神か





「自分が受け継ぐ山がどこにどれだけあるかわからない。受け継いだら山をこんな風に活用したい」簡単なプレゼンもまとめていたので、それを配って見せながら事情を説明すると、「これ、いつ作って来たんですか?」「え?昨日?嘘でしょう!?」と褒めてくださって森林組合の方が三人がかりでテキパキと動き出しました。





本来の自分たちの仕事はこれなんです!!なんだかワクワクする!と嬉しそうに調査に協力してくださった組合の方。山、特に竹林になったり荒れ果てたものはみんな「ただでいいからもらってくれ」という厄介者。そんな相談ばかりを受けていたそうです。





そこに私みたいな変わり者が突然赤い派手な車でまっ黄色のでっかいバックをもって(←突っ込まれた)汗だくであらわれ、法務局で出してきた図面の束をひらひらさせながら早口でまくし立てるので「仕事早いですね!」「え?半日でそれだけ回って来たんですか?」めっちゃ面白がってくださいました。





就業時間を過ぎても、航空写真を出してくださったり、「ここはこうできるけどこちらは測量がまだなので何もできない」など冷静に教えてくださいました。





厳しい現実。伊能忠敬を見習え!





モノの片付けでしたらプロなので簡単です。ですが今回「土地の片付け」はややこしい!





片付けで言うところの「全部出す」が出せないわけです。





国がきちんと測量していない地図は江戸時代から明治時代に作られた「団子図」と呼ばれ、境界がわからないので適当すぎてどうにもできないということ。遠くから山を見てくるっと丸をして「この辺はAさんの土地、んでもってこの辺はBさんの土地」みたいに〇をいっぱい書いているから団子図・・・わかりやすいネーミング♪とか言ってられるか!伊能忠敬を見習え!と思わず森林組合の人に言ったら爆笑してくださった・・・





結論、司法書士に丸投げ





「山のことをこんなに考えてくださる方がいて僕たちもうれしいです!」とおっしゃってくださった森林組合の方とは帰ってきてからもしょっちゅう連絡を取っています。





もともと把握していた土地の贈与については、竹林だったとしても!マツタケがなかったとしても!トリュフなんて夢のまた夢すぎるとしても!出来るところまでやってしまおうと思い、近所の司法書士事務所に行きました。私と同世代の男性の先生は仕事が早そうで、初回の相談で話したことを二回目でもしっかり覚えていてくださり、お願いすることにして契約をしました。





ある程度実家に資料が残っていたのでそれをすべて持っていき、軽く見ていただくと「おもてたよりもっとあるやんかいさ!」となりましたが、本当に仕事が早くてまめに連絡も下さってこれがどう落ち着くか楽しみです。





相続と生前贈与、山と田畑の違い





今までそんなこと考えてもいませんでしたが、遺言とか生前贈与とか、メリットデメリットを天秤にかけてしっかり対策する必要性を感じました。





家族仲良くても、戸籍が綺麗でも!年を取ったら意識がしっかりして自由に動けるうちに何かしら対策をしないと、うちみたいなことになります。





ほったらかしの山林は2025年から罰則も始まるのでちょうど良いタイミングだと聞いて私はやっぱり運がいいと思いました。





相続税と贈与税では税率が全然違います。もちろん相続税のほうが安い。けれど今回司法書士からも「やっておいた方がいい」とアドバイスをもらったのでできるところまでやってみることにしたのです。





そして、もう一つの問題は、「山は簡単に相続できるけど、田畑は農業委員会に掛け合わないといけない」ということ。持ち主が死んでからの「相続」ならだれでも引き継げますが「生前贈与」となると「田畑は農業する人じゃないとダメ」なのだとか。国の政策で食料自給率を保つため農地は農地として使う人にしか贈与できない決まりがあるそうです。





ただ、60年以上ほったらかしの農地で草ボーボーなのに・・・というつぶやきが出ますが。





そんなことでこの一か月ちょっとは頭の中に竹が生えていました。草生えて楽しい日々ではなかったのですがもともとM気質なようで「やってやろうじゃないの」と無駄に見えないものに闘志を燃やしております。









今回は備忘録となったので長くなりましたが、もしもほったらかしの山林をお持ちの方がいらしたら、2025年に罰則が始まる前になにかしらしておいた方がいいかもです。





そして気付いたら私は島根県の農民になっているかもしれません。





私はなぜか9年ごとや9の倍数で人生の転機があります。誕生日が9月9日だからかなと勝手に思っていますが、18歳で実家を出て、夫と知り合って結婚、そのあとは子育てをしながら汚部屋で暮らし、思い立って片付けの資格を取り、仕事を始めたのは36歳の時。そして今年個人事業主9年目で9月には45歳になります。次の9年は??と自分でもワクワク。





鶏とヤギは飼うつもりです♪そしてどうせやるなら名物になるような「見た目も中身も変わった人」で農家をやりたいな~と妄想しています。その時はインスタで面白い見た目をアップしようかな、ケケケ。と、ほくそ笑んでいます。何よりも夫がかなり乗り気なのが面白い。









先日アマプラで見たサバイバルファミリーという邦画。





私の中で田舎の農家最強説が見えてきました。


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