捨てられない原因の一つに「完全な形」があります。

例えば、カップとソーサーのセットで、カップが欠けてしまった場合。本来ならばカップとソーサーはセットです。セットで使って完全な形。でも、個別で見た場合、カップは欠けているがソーサーは欠けていない。そうなるとソーサー単体で見たら完全な形ゆえに捨てられない。

でも使わない。

そんなときどうする？

使わないなら捨てる。使うなら使う。

シンプルなことです。「いつか使うかも」のいつかは来ないです。妄想の世界だから。でも、「いや、明日使います」なら使うわけです。明日でなくても、この時期になったら、とか、ここに行くときに、とか、具体的にこのシチュエーションだったら必ず使うんです、と言えるものは必要なものです。

なぜこれをしつこく言うかというと、「いつか使う」ものを置きすぎて今の生活に困っている、うんざりしている人が多いからです。今を楽しんで生きる、今を心穏やかに過ごす、今に満足して暮らす。

ここを見て欲しいのです。

完成形で相方がなくなっても使っているもの

私にも、「完全形で、一部がなくなったけれど使っているもの」があります。

実はこれを本来ので使うべく探し回りましたがどこにもない。お店に問い合わせて取り寄せもしてもらったけれど結局ピッタリ合うものがなく・・・もう2年ほど、いまだ相方を探し続けながら愛用しているものがあります。

それがこちら

仁川（インチョン）国際空港限定のタンブラー

これ、蓋があったのですが、ゆるくなって漏れてくるし色も汚くなってきて捨てたのです。で、新しいものを探し回ってネットサーフィンしまくりでしたが合うものがなく。やっと見つけたと思ったらメルカリで使用済みでかなり汚いのに2000円っておいおい、となり。

近場のスタバで相談したら、色が黒になるけど合いそうなものを取り寄せてみます、蓋が合った時にお買い上げいただいたらいいので、となんと丁寧なご対応。黒でも白でも赤でも何でもいいのでよろしくお願いしますと伝え一旦帰宅。

早く店に持って行ったらよかったのに！と後悔の念を背負いつつ待っていたら三日後に電話がありスキップして取りに行きました。

が、微妙に合いませんでした。お店の人にお手数をお掛けして申し訳ありませんと伝えたら、「これ、めっちゃ可愛いですもんね」と笑顔で答えてくださり「海外の仕様なので微妙に違っていたのかな？」と。

本来の形は同じ淡いブルーの蓋がついていたものですが、家で普通にタンブラーとして使っています。ステンレスで保温機能がしっかりしているので熱いものは冷めにくく、冷たいものは汗をかきません。

重い「思い出」とストーリーの違い

物を捨てられない原因のもう一つに「思い出が乗っているから」もあります。私のこのタンブラーにも「ノリと勢いで友達とソウル旅行をした」思い出があります。でも、何度も言うように「不要だけど何となく捨てられない」もので「思い出が乗っている」ものが厄介なだけ。

私のタンブラーには「ストーリーがある」わけです。そして、ストーリーは重くない。使うたびに空港で帰りにフルーツ食べたなぁ～とか楽しかったなぁ～とか気分が上がります。限定タンブラーも三種類くらいあって一番いいと思ったもの(しかもラスト一個)を買いましたので、そんなのもお気に入りポイントです。

きっと絵が見えなくなっていかにもみすぼらしいとなるまで使うと思います。

その思い出、重い？軽い？

お客様のご自宅でのコンサルの時、新品のバカラのグラスを「いらない」と判断された方がいらっしゃいました。理由を聞くと「いい思い出がないのにもらったから、高かったからと置いていた」とのこと。バカラに罪はないけれどこれ見るたびに気分が重くなる、と。

その場で売りに行くか誰かにあげるかの提案をしたらその日のうちに欲しい人が現れて譲ったとのことでした。お客様は手放せて気が楽に。もらってくれた人は大喜びでまさにwin-winでした。

思い出があるからと捨てられないモノ、もしもなくなったらどう思うでしょうか？

ある方は片付けの作業中に「もう、火事で全部焼けてくれたらいいのに！！って思っちゃう」と言い出したので「じゃ、全部捨てましょうか」というと「ほんとだ！！」と言ってサクサク片付いた方も。

なぜ迷うかを考えてみる

捨てられない原因はいくつもあります。なぜそれが捨てられないのか、考えてみてください。

• ぬいぐるみや人形を捨てたらたたられるかも、という迷信？
• 捨てるともったいないとしつけをされた？
• 人からもらったから好意を捨てる気がする？
• 買ったときに高かったから？
• まだ使えそうな気がする？
• ただ捨て方がわからない？または、めんどくさい？

それらを内観してみてください。

そしてあなたがなぜ片付けたいと思ったのかを天秤にかけてください。

なんでも捨てろというワケではないです。片付いた部屋を手に入れたいのに物が捨てられない、では両方かないません。二兎を追うもの一兎も得ず。

今年の干支ですね。

是非、自分にとってより良いものを選び取る、コトをしてみてください。人生は選択でできています。

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